笑理
スクーリングが終わる頃、実家から電話がありました。
『笑理の調子が悪い。』
笑理は、実家で飼ってる犬、ビーグル。
私が飼ってた犬では3代目かな?記憶にあるのは2代目から。
ずっと私が躾とかしてきて、信頼関係はあったと思う。
旦那と結婚したときも、
最初は旦那に見向きもしなかったのに、
旦那を紹介してからは、ちゃんと旦那の言うことも聞いた。
初めてうちに来た日、ダンボールに入れて連れてきたのに、
途中で寄ったラーメン屋さん、食べ終わって車に戻ったら箱の中にいなくて。
あせったけど、まわりをみたら、私が座ってた席に丸くなってた。
ぬくもりがあるところ。
それで、週末から実家に急遽帰りました。
暑さをしのぐのに、草の上に寝ていることが多くて、なかなかどこにいるのかわかりません。
だらだらしながら過ごした数日。
そして、23日水曜日。
その日は両親はクルーズの予定があって、
私と笑理だけでお留守番。
暑いのかな、熱いのかな、自転車のタイヤの金属に顔を押し当てて 力なく横たわっていたのに、私がカメラを向けたら、こっちに目線を送るんだ。
そんな力、ホントはないだろうにね。
そしてその日の夕方。
笑理は目を閉じた。
両親があと1時間で帰ってくるよって言ったのに、
もう目を開けることはなかった。
私がスクーリング終わるまで、待てるかどうか・・・
そういう状態だったのに、
何日も一緒にいれたよ。
ゆっくりお別れできたよ。
私は不思議だったんだ。
なんで両親を待てなかったのか。
でも、それは、もうとっくに、両親とはお別れできてたんだね。
ただ私のために、
私とお別れするためだけに、
最後の力で、待っててくれたんだね。
ありがとう。
逃げ出したとき、
誰も見つけられなかったのに、
学校から帰った私の指笛ひとつですっとんで帰って来たね。
誰にもしない「伏せ」を私だけに見せてくれたね。
喧嘩もしたし、いっぱい笑った。
たくさんの思い出は、すべていい思い出になったよ。
あとは、ゆっくりしてください。
そして、いつまでも私のそばに。
みまもっていてください。